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お釈迦様の生涯

釈尊の願い(106)

イラスト・山中一正

祇園精舎の建立

祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きありと
平家物語に書かれている
その祇園精舎を寄進したのが
大富豪のスダッタであった
仏陀が成道して
14年ほどしてからだという

場所はマガダ国の西方にある
コーサラ国である

コーサラ国を故郷とするスダッタは
仏陀の教団が
この地に住み 修行に励んで
人びとを教化できる場所を
寄進しようとした
それはスダッタの強い願いでもあった

首都サーヴァッティー近くに
修行に適した園をスダッタは発見した
そこでこの土地に精舎を建てようと思いたったが
その土地はこの国の王子である
ジェータの所有で
王子は簡単には土地を譲ってくれなかった

強く願うスダッタにジェータは冗談に
この土地に黄金を引きつめたら
その黄金と土地とを代えてもよいといった
それを聞いたスダッタは大いに喜び
次の日から黄金を一枚いちまい引きつめ始めた

ジェータはそれを見て驚き
スダッタの精舎を建てる事情を知って大いに感心し
その土地を喜んで提供した

その精舎には仏陀の部屋としての香室 控室 寮舎
僧の修行場 台所 便所 病室など備わり
仏教教団 第一の精舎になった