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お釈迦様の生涯

釈尊の願い(95)

聖黙と法談―しょうもくとほうだん―

比丘(修行僧)たちは仏陀の指導のもとに
規則正しい生活をしながら修行をしていた
そんな日々の生活の中で
比丘たちが心がけなければならないことがあった
それは聖黙と法談である

聖黙とは聖なる沈黙で
坐禅瞑想をして真理を深く探究していく
独り沈黙を守りながら
真理と自分が一つになっていくのである

法談とは教えについて共に語り合うことである
世間話や無駄話は禁じられた
彼らが禁じられた世間話はいくつもある
女の話や男の話
世間で起こったことや噂(うわさ)話
つまらない隣人の話や親戚兄弟の話
食べ物の話や衣服の話などあった

語らなければならない大切なことは
特にあげれば十個ほどあった
これは後に
十個の論じなければならない大切な事として
十論事(じゅうろんじ)というようになる

まず欲を制するための少欲の話
次に足ることを知る知足の話
三番目にその欲からどう離れていくかの話
四番目 規律もなくだらだらと集まる集会をしない話
五番目 努力の大切さの話
六番目 戒めを保ち層団の規律を守る話
七番目 静かに坐禅をして何を得たかなどの禅定の話
八番目 いかに生くべきかという智慧(ちえ)の話
九番目 悟りは何かという解脱の話
十番目は悟りを得たとき
どのような変化や自覚があったかという話であった

こうみていくとかなり厳しい生活を送ったといえよう
だから仏陀の教団は
しだいに一目をおかれていくようになる