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お釈迦様の生涯

釈尊の願い(86)

カサッパ三兄弟

釈尊が悟りを開いた当時
マガダ国のビンビサーラ王をはじめ
隣国のアンガとの両国に多くの信者を得ていた
カサッパという3人の兄弟がいた

長兄のウルヴェーラ・カサッパは120才以上で
弟子が500人いた
次のナディー・カサッパは100才以上で
弟子は300人
弟のガヤー・カサッパは同じく高齢で100才に達し
弟子は200人いた

彼ら三兄弟は
長くインドの民衆の心を支えてきた
バラモン教を奉じ
ヴェーダという聖典を読み
神聖な火をあがめ絶やさず火神アグニを祭り
火を祭ることで解脱を得られるとし
さらに吉凶を占い さまざまな儀式を行っていた

当時のインドでは
カサッパ三兄弟のバラモン教が大きな勢力を持ち
代表的なものであった
もしこの三人を仏教に帰依させれば
マガダ国全体を
仏教色に染めるほどの影響力を持つ

仏陀は静かに思索に入っていた

私は次に誰に伝道の道を開こう
一切の人びとに教えを説き
悟りの道を示すべきであるが
カサッパ三兄弟はどうであろう
彼らはマガダ国にあってバラモン教を奉じ
国王や民衆の多くは彼らを崇拝している
彼らの機魂は聡明にして悟りやすい
しかし我欲強く教えに誘うことは難しい
だが われ今立ちて
長兄のウルヴェーラ・カサッパを帰依させよう

仏陀は静かに思索をとき立ち上がって
マガダ国へと歩いていった