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お釈迦様の生涯

釈尊の願い(82)

六十人の弟子

仏陀釈尊はヤサの家に招かれて
食事の布施を受けることになった
ヤサの母と妻は仏陀の法を聞き
法眼(ほうげん)を開いて初歩の聖者になった
教えを理解し
その教えに基づいて生きていこうとする段階である

そしてヤサの父と同じように
母も妻も在家信者となった

ヤサには
非常に親しい友が四人いた
ヤサが出家をしたという噂を聞きつけて
彼らも仏陀のもとへ出かけて行った

仏陀のもとにいた
ヤサの穏やかな姿を見て
仏陀の教えが優れたものに違いないと考え
その教えを請い
やがて法眼を開き出家をした

さらにベナレスには
ヤサの友だちが五十人いた
前の四人と同じくみな裕福な商人の子弟であった
ヤサの出家を聞いて仏陀のもとへやってきた

みな聡明な人たちであったのだろう
教えを聞くと
その真理の輝きと
生きることの意味を悟り
出家を請い願った
仏陀は彼らの出家を許した

ここに最初に阿羅漢となった五人の比丘
そしてヤサと
その友だちの五十四人を合わせて
弟子が六十人となった
彼らは仏陀のもとで
長らく修行を続け
みな阿羅漢の境地まで達した

独り立ち
六十人の弟子を悟らせた仏陀
今ここに伝道の旅が始まろうとしていた
それは長くて険しい四十五年の道程であった