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お釈迦様の生涯

釈尊の願い(81)

ヤサの出家と在家信者

次第説法を理解したヤサは
因果の道理を悟り
さらに仏陀の説く教えに聞き入った

教えに心を染めるためには
あらかじめ
その心を清浄にしておかなくてはならない
次第説法こそ
心を清浄無垢にし
邪見を廃して
仏陀の教えを
素直に受け入れる素地をつくるものであった]

ヤサに対して次に説かれたのは
苦集滅道の四諦の教えであった
その教えを理論的に理解したヤサは
第一段の「見道の聖者」となった

一方ヤサのいなくなった家では大騒ぎであった
仏陀釈尊のところにいると知った父親は
さっそく仏陀のところに出かけてヤサのことを聞いた

神通力でヤサを見えなくしていた仏陀は
父親に次第説法を説いた
やがて父親は法の眼を開き第一段の聖者になる
そして在家者として仏の教えをもとに
生きていくことを誓った
最初の在家信者となったのである
そのとき仏陀は神通力をとき
息子のヤサを見ることができるようにした

ヤサは仏陀が父親へ説法しているさなか
さらに深く禅定に入り ついに阿羅漢となった
それだけの精神的素地を彼は持っていたのであろう
生まれる以前 天の世界で仏陀を慕い
この世にともに現れようと誓った仲間であったと思われる

阿羅漢となれば
精神的に在家信者ではとどまることができない
出家をしてさらに悟りを目指す思いが強くなる
そこでヤサは仏陀に出家を請い
六番目の弟子となった