今月は「丑の刻参り」についてお話し致します。
(常光徹説参考)
丑の刻参りは人に見られてはいけないという、
昔からの言い伝えがあります。
丑の刻という時間は、午前2時ごろになります。
夜が静まり返って、誰にも見られない時間といえます。
この丑の刻参りは、
恨みや憎しみをもつ人を呪うための儀式というのか、
呪法です。
ワラ人形を作って、それを神社の神木にはりつけ、
7日間、五寸釘を打ちこみ続けると、
呪った相手が死ぬというのです。
しかし、その様子を見られると、
その呪いは効き目がなくなり、
呪った自分にその呪いが返ってきて、
病気や事故にあって苦しむと言われています。
その呪う姿は、
頭上に2本のローソクを鉢巻きでしばって、
口にはクシをくわえ、白い一反木綿を腰からたらし、
その木綿の裾が地面につかないように、
走らなくてはならないと言われていて、
呪うのも大変なことです。
こんな呪いでなく、なかには念の強い人が、
「あの人は死ねばいい」と思っただけで、
その人がしばらくして死んでしまう。
そんな人もいます。
その人は、
こんな不謹慎なことを思わないよう
気を付けているといいます。
ごく普通の人でも、
何か嫌なことをされたり、いじめをうけたりして、
それを苦にして、逆に相手を呪って
「事故にでもあって、不幸になれ」
などと思ってしまうこともありますが、
「人を呪えば穴二つ」という格言の通り、
相手を呪って、それが実現したとしても、
呪った本人も決して幸せにはなれないということです。
ここで呪う姿を見られたら、
その呪詛は消えてしまうということですが、
人をたぶらかす妖怪などは、その正体を見破られたとき、
その妖怪の力は消えてしまうと言われています。
お釈迦様も悪魔と対峙しましたが、悪魔と見破ったとき、
悪魔はお釈迦様から離れていったと言われています。
見破られると、悪魔もその人についていられないでのす。
ですから、普段から、今思っていることは、
悪の思いか善の思いかをよく判断する、そんな知恵が必要です。
悪なるものであったなら、これはいけないと思い、
その悪を消し去ることで、悪魔も消えるということです。
呪うよりも、相手の幸せを祈ってあげる世界が心地よさそうです。