今月は「子を授かる縁起」についてお話しいたします。
子宝に恵まれたいと思うときに、
多産の女性の座った座布団に座ると、子に恵まれると言われたり、
多産の女性の持ち物に触れると子に恵まれるとい言われています。
これは多産の女性の物に触れることで、
その女性の霊的な産む力をうつしてもらうということです。
これを「感染呪術」と表現する学者さんもおられます。
また産飯(うぶめし)を分けてもらい食べると、
子宝に恵まれるともいいます。
産飯は子どもが生まれたとき最初に炊くご飯のことをいいます。
その産飯は、炊き上がったご飯をお茶碗に高く盛り、
それを産神(うぶがみ)様に供えます。
お供えすることで、
子を産んだお母さんとその赤ん坊を悪霊から守ってもらうわけです。
お供えした産飯は後ほどおろして食べます。
これは神人共食(しんじんきょうしょく)といって、
お供えしたご飯を食べることで、神様の霊力をいただくという意味があります。
直会(なおらい)の意味と同じだと思われます。
戌(いぬ)の日に腹帯を巻くと安産になるというのは、
犬が多産でお産が軽いところからきています。
また犬は若い女性を助けるという伝説からも来ているようです。
人見御供(ひとみごくう)となった若い女性を助けたという犬の伝説があります。
静岡県の磐田市に伝わる伝説ですが、秋祭りに
若い娘を山の神に人見御供として出さなければならない決まりがありました。
娘の家族が嘆き悲しんでいると、盲目の法師が
「山の神は化け物で、しっぺい太郎という犬を怖がっている。
その犬を人見御供として送るがよい」
と告げます。
そこで駒ヶ根市にある光前寺というお寺で飼われている
しっぺい太郎という白い大きな犬を借り受けて、娘の代わりに、
白木の箱に入れ山のお宮においてきたのです。
翌朝行ってみると、そこには傷ついてひん死の状態になったしっぺい太郎と、
血まみれになって死んでいた巨大は狒狒(ひひ)が横たわっていたという伝説です。
難しい理論は避けますが、犬が女性を守ると理解しておきます。
また仏教では犬はあの世とこの世の境界で行き来するのを守る役目があるといい、
あの世から赤ちゃんが無事この世に降りて来るのを守っているといえます。