今月のしきたり雑考は「花まつり」です。
この花まつりは灌仏会(かんぶつえ)ともいって、
お釈迦様の誕生を祝う行事です。
4月8日に行います。
昔は旧歴の4月8日でしたから、今年でいえば、5月25日になります。
灌仏会の灌は、そそぐという意味ですから、仏様にそそぐ会です。
そそぐものは甘茶です。
お釈迦様が生まれたときに、その誕生を祝って、
九匹の竜が天から甘い雨を降らせたことに由来しています。
花御堂(はなみどう)といって御堂を花で飾ります。
花には古来から、神霊が降臨すると信じられていていました。
お花見も花に降臨した神霊に神饌(しんせん)といって、
米やお酒、魚、野菜、塩、水なのを供え、その供えたものをみんなでいただき、
神人共食として直会(なおらい)をし、神の霊力をいただく意味がありました。
その花御堂に、
浴仏盆(よくぶつぼん)といって、甘茶をかける盆を置き、
その中に小さなお釈迦様をおいて、そのお釈迦様に甘茶をかけて祝います。
お釈迦様の姿は、右手は天を指し、左手は地を指す姿をしています。
これはお釈迦様が生まれたとき、七歩、歩いたのち、
このような恰好をして「天上天下唯我独尊」(てんじょうてんげゆいがどくそん)
と唱えたことに由来しています。
この意味はさまざまですが、天にも地にも私ほど尊い存在はないという意味で、
この世に生まれ、人々の幸せにために教えを伝える仕事をするという、
決意と責任の大きさをうたった言葉なのです。
甘茶は三度かけますが、
一度目はお釈迦様を祝い、いつまでも私たちを守ってくださるようにと願います。
二回目は、私の心も、この甘茶の霊力によってきれいになり、健康でいられますようにと願います。
三回目はすべての人が幸せになれますようにと祈りかけるのです。
実際にこの甘茶をいただくと、病気にならないとも言われています。