この「仏事の心構え」は今回で、163回になります。
約14年ほど続いてきました。
今回が最後で、「仏像の見方」のまとめをしておきたいと思います。
仏像の見方については、45回ほどのお話でしたが、
いまだに観音様と地蔵様の違いが分からない人もいます。
以前ここでも書きましたが、
あるおばあさんがお地蔵様の前で「なんまんだぶ」とお祈りをしていました。
「なんまんだぶ」とは、阿弥陀様のことです。
お地蔵様と阿弥陀様はまったく違うのですが、
どの仏様にも「なんまんだぶ」とお唱えしても、仏様のことですから、
お怒りにはならず、きっとほほえんで聞いてくださっていると思います。
しかし、仏様にも役割があって、
それぞれのお立場で、人を救う仕事をしているわけです。
上から如来様、菩薩様、明王様、天部の仏様がおられます。
私の好きな仏様は、奈良の東大寺の横にある戒壇院に安置されている広目天です。
天部の仏様で如来を守る仕事をしています。
広目天は右に筆を持ち、左に経巻のような巻物を持っています。
大学時代、安藤という教授の研究室に、広目天の写真集があって、
それを興味深く見て、「これいいですね」と言うと、先生が
「杉田、そんなに興味があるのか。じゃあ、あげるから大切にしなさい」と言われ、
くださいました。
今も経蔵にあって、時々見ては、こんな仕事をしてみたいと、思い返しています。
この筆と巻物が、私の仕事として「法愛」になっているのです。
そして、この「法愛」で仏を守る仕事をしています。
私が天部の存在とはいいませんが、広目天を師と考え、
その仏に少しでも近づけるよう、微力ではありますが努力を続けています。
お読みのみなさんも、お好きな仏様があれば、その仏様をお慕いし、
その仏様を助けてあげられる、そんな生き方ができたら、素晴らしいことだと思います。
来月から、新しい企画として「しきたり雑考」を書いていきます。