今月は稲荷大明神(いなりだいみょうじん)のお話を致します。
この稲荷大明神はお稲荷さんとして親しまれています。
昔は江戸と呼ばれたころの東京に多かったと言われています。
「伊勢屋、稲荷に犬の糞(ふん)」と言われたほどで、
そこらじゅうに犬の糞が落ちているほど、このお稲荷さんも多かったというのです。
それは江戸幕府の老中、田沼意次が熱心な稲荷信仰を持っていて、
武家が老中の歓心を得るために祭り、開運の神様であり、
また商売繁盛の神様だったので、庶民にも広がったというのです。
ほんとうは、この稲荷は最初に「稲」の字がありますので、
稲の豊作を祈る農業の神様なのです。
稲荷の語源を一つあげれば、「イネナリ」で、
漢字にすると「稲生」です。これは稲が生まれてくるという意味です。
このお稲荷さんで有名なのが、
京都伏見のお稲荷さんであったり、豊橋にある豊川稲荷があります。
伏見のお稲荷さんは、昔、ある豪族が伏見の山に
祭神である宇迦之御魂神(うがのみたまのみこと)をお祭りしたのが、
その初めのようです。
この神様は「ミケツカミ」ともいい、
万葉仮名では「三狐神」と表し、これを「ミケツカミ」と読むのです。
このことから、狐とお稲荷さんとの結び付けができたとも言われています。
今年の4月にお話した荼吉尼天(だきにてん)も、このお稲荷さんが出てきました。
この神様は豊川稲荷の神様で、
このお稲荷さんが祭ってあるのは、曹洞宗のお寺様で、
あるお坊さんが中国から帰って来る途中、
海の上に、白い狐にまたがった霊神が現れ、
「これからあなたを守り、教化にそくしたものを幸せにしよう」と告げたといいます。
これが荼吉尼天で、白い狐がその使いというわけです。
お稲荷さんは、狐がその脇に控えているのが特徴です。