今月は明王の3回目で、孔雀明王(くじゃくみょうおう)です。
この明王様は私自身、本や図鑑でしか見たことはありません。
和歌山県にある高野山の金剛峰寺にある孔雀明王が有名です。
この像は、快慶(かいけい)の作だそうで、後鳥羽上皇の発願によって、
1200年ころに作られたそうです。
調べてみると、彫刻は少なく、
絵で表現したもののほうが多いようです。
この孔雀明王は、孔雀が付いていますから、
孔雀に乗っている明王様です。
明王といえば、大概、私たちを叱っている顔がほとんどですが、
この仏さまは女性のような柔らかな顔をしています。
ですから、一見、明王とは分からないくらいです。
ただ孔雀に乗っていれば、孔雀明王であると知るので、
その点、分かりやすいかもしれません。
なぜ孔雀が仏様になったかですが、
インドでは昔から毒ヘビのコブラが多くいて、
孔雀がこのコブラを餌(えさ)にしていたようなのです。
ですからコブラの天敵は孔雀なのです。
毒ヘビは煩悩にたとえられていて、
その煩悩の象徴であるコブラを食べてしまうところから、
孔雀は煩悩を食い尽くし、私たちを守ってくれると考えたのです。
そんな考えが広がって、この孔雀が神格化されていったようです。
やがてこの孔雀が仏教に取り入れられ、孔雀明王になったと言われています。
何にも、確かな理由があるのですね。
孔雀明王の姿は、もちろん孔雀に乗っていて、
孔雀の上に蓮華の台があり、その上に、明王様が優しい顔をして坐っています。
お顔は一つで、多くは手を四本持っています。
これを一面四臂(いちめんしひ)といいます。
不動明王の光背は火でしたが、
この孔雀明王は孔雀が羽を広げたような形になっています。よく考えますね。
またこの孔雀は雨季を知らせる鳥というところから、
慈しみの雨を降らせる、そんな信仰もあるようで、
雨乞や除災、延命などの人びとを救うお仕事をされているようです。