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みにミニ法話

(247)「思いを変える」

人は人生の中で、迷わないということはありません。

思いを変えるということですが、
思いというのは、そのままにしておくと、
浮き草のように、こちらにいったりあちらにいったりと、
あたかも水の流れに左右されてしまうような動きをします。

面白くないことがあれば不満に思い、
楽しいことがあればうきうきしてきます。
天気がよければ晴れやかになり、
雨が降れば憂鬱になります。

外からくるさまざまな事に、
左右され動いてしまうのが、私たちの思いです。
そんな思いを自分が主(あるじ)となって、
正しく変えていくことが大切です。

また、一つの思いを長く持ち続けると、
それが自分の性格になっていきます。

たとえば自分のことばかり考え思っていると、
自分勝手な性格になります。

欲しいという思いを常に持ち続けていると、
欲深な性格になります。

何があっても面白くないといつも思っていると、
不満だらけの性格になってきます。

そんな自分のマイナスの思いを打ち消して、
正しく生きられる前向きな思いを常に出し続けられる
訓練をしていくことが大事に思います。こんな詩があります。

「良き心よ」という詩で、52才の男性の方の詩です。

僕の中にある 悪い者よ
僕から吹きぬけていけ
そしてもう もどってくるな
僕よ良き人間になれ
一生 良い人であれ
僕よ伸びろ
木のように 高く伸びろ

(産経新聞「朝の詩」 平成25年3月19日付)

こんな詩です。

今月のテーマから言えば、「悪い思いよ出ていけ」となります。
そして「良きことを思える人間になれ」ということです。

自分の悪い思いを変えて、
良いことを思える人間になれるよう、
木のように高く伸びていけと言っているわけです。

思いは変えられます。
思いの持続である性格も変えていけます。

基本は、この詩のように、
自分が主になって、悪い思いを打ち消し、
良い思いを常に持ち続けていくということです。

きっと長年の努力で、自分の思いが神仏の思いに近づき、
徳高い人となっていけましょう。

その原点が、
「思いを変えて、良き人となっていけ」
と強く思って生きていくことです。