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みにミニ法話

(244)「春のほほえみ」

3月の中頃になると、護国寺の竹林に、鴬が鳴きはじめます。
裏庭には蝋梅の黄色い花が咲き、スミレも咲き始めて、
春の暖かさとほほえみを思います。

ほほえみは暖かさです。
ほほえみがあるところに、幸せがきます。
ほほえみは安らぎでもあり、穏やかさでもあります。

仏像などを見ると、みなほほえみをたたえています。
不動明王さまや仁王様などは怒りのお顔をしていますが、
菩薩様や如来様は、みな深いほほえみをたたえています。

そんな姿から思い浮かべる事は、
人が悟りを深め、人格を磨きあげていくと、
みなほほえみ豊かな人になっていくということです。

何かよいことがあったり、幸せなことがあれば、
ほほえみは知らずこぼれ落ちてきます。

あるいは仕事で、ほほえみをたたえなくては、と思っている方は、
ほほえみの多い一日を過ごすことでしょう。

しかし、疲れているときや、苦しいとき、
あるいは嫌味を言われたり、悪口を聞いて落ちこんでしまったときには、
いつのまにかほほえみが消えて、悲しい顔や不満の顔になりがちです。

特に男の人は、一週間も、ほほえみや笑顔を忘れていた、
ということもあるかもしれません。苦難のときにも、
笑顔やほほえみを忘れない。

それを仏様が教えてくれているのかもしれません。
ほほえむ仏様の前に、時々たたずむのもよいでしょう。

花はほほえんでいるゆえに蝶を招きます。
私たちがほほえみ豊かであれば、幸せを招くといえます。

病で病院に行くと、
その病院で先生も看護師さんも顔で接してくだされば、
救われる思いがします。

笑顔もなく上目線で、命令されるような接し方をされると、
病気もますます悪化するような気持ちになります。

スーパーのレジで笑顔で対応してくれれば、
この店にきてよかったと思います。
ほほえみ一つも出ず、ありきたりなレジをしていれば、
この店に来る意志も薄れてくるものです。

笑顔は幸せを招きよせ、相手に喜びを与えます。
ほほえむ私たち自身も、幸せになれます。

どんな時にもほほえみを絶やさない、そんな人格を築いていく。
そのことに気づかせていただける、
ほほえみの春を心の両手に受けてみましょう。