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みにミニ法話

(243)「継続は力なり」

継続というのは、長く同じことを続けていくということです。
三日坊主という諺がありますが、事を始めて、短期間で挫折をし、
初心を忘れてしまうことが多々あります。
これでは力になりません。

「思い立ったこと」においてはよかったのですが、
継続がないと、そこには何も残らなくなります。

私ごとですが、僧侶になって45年ほどになりますが、
思い立って始めた事がたくさんあります。

その一つにお経会があります。
毎月一度ですが、今年で34年目に入りました。
中には一人しかこなくて、止めようかと思ったことが何度もありますが、
今まで辛抱して継続してきました。

そんな継続するなかで、お経の種類が少なく、
それぞれの法要にあったお経がないのをずっと気にかけていました。

お経会を始めて25年ほど過ぎると、
自分でお経が作られるようになりました。
新しいお経を作り、お経会に来る人のために、
そのお経を唱えてもらうようになりました。

そのお経の数が10個ほどになり、
その10個のお経を、以前のお経に加え、
新しい教本を作ることができるようになりました。
世界に一つしかない教本です。

おそらく、お経会を途中で止めていれば、
決して、できない教本だと思います。
お経会をたんたんと継続して続け、お経が作れるようになり、
それをみんなが唱え、さらには法要にまで使えるようになったのです。

このことを今から始めようと思っても、おそらく出来ないでしょう。
34年間休まず続けてきたおかげで出来た仕事でした。

一つのことでも、止めず、あきらめず、たんたんと続けていくと、
それがやがていつの日か、さなぎが蝶に変身するように、
大きな美しい出来事に変化していくのです。
これは継続の力以外にありません。

もう年を取ってしまったから、出来ないでは、できません。
以前、芥川賞を取った黒田夏子さんも75歳でした。
たとえ80歳から事を始めても、少しずつやり遂げていけば、
必ず収穫を手にする日がきます。

いま継続する事をお持ちの方は、続けていくことです。
そして、今からでも始めることです。
その力は、必ず幸せをもたらしてくれます。