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みにミニ法話

(187)「生き抜く術(すべ)」

生きて行くためには、働かなくてはなりません。

働くことは苦労が伴いますが、
生活の糧を得るためには大切なことです。

働かないで生きていく、という甘い考えは、
決して幸せを手にする考え方ではありません。

ですから、まず働くという精神を尊ぶことが必要です。

この働くための大切な心構えは、真面目さといえましょう。
正直である、といってもいいかもしれません。

以前あった事件で、吉兆のような料理店がつぶれていくのも、
人を騙したり、お金儲けを優先して、真面目さや正直さを失った結果
であると思われます。

まずは真面目に働くことが、
この世を行く抜くための大切な心構えといえましょう。

また、この世を生きていく中には、
楽しいこともたくさんあるでしょうが、
大変なこともたくさんあります。

さまざまな苦難や思うようにならないこと、
病気や悲しみの別れ、怒りをおぼえる出来事や、不平不満の事ごとなど、
さまざまに起こってきます。

安らかに楽しく、そして静かに暮らしていけるのに越した事はないのですが、
なかなかそうはいきません。

そんなときの生き抜く術は、
「穏やかであれ」と常に自らに語りかけていくことです。
自分に言い聞かせていることです。

苦難がおこれば、心は動揺し、揺れます。
心が乱れ、正しい考え方ができなくなります。
誤った考えはさらに道を踏み外して、不幸の穴に落ちていきます。

心の乱れは、決して幸せな状態ではありません。
穏やかな心こそ、幸せ感が高いのです。

不平不満なときの心もそうです。
そんなときの自分の心を思い出してみてください。

おそらく心が波たっていて落ち着かず、
そんな心の状態からでてくる言葉は、人を責めたり、呪ったり、
自分勝手な言葉が多く出てくるものです。

心の乱れは、人を傷つけるばかりでなく、
本人自身の心を深く傷つけるものなのです。

その心を癒すものが、穏やかさです。
生き抜く術で、穏やかさなど本当に役立つものなのかという疑問もありましょうが、
とにかく「穏やかであれ」と心に語りかけてみてください。

生き抜く力がどこからともなく湧いてくるのです。