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みにミニ法話

(120)「人間を見分ける」

スイスの法学者であり宗教思想家でもあるヒルティという人が、

最も容易に人間を見分けるには、
その人が生涯の努力の真の目標を考えているものを知ればよい。

ということを言っています。

人を見分けるには、その人が生涯の中で何を努力の目標としているのかを知れば、その人がどんな人か分かるというのです。

これは自分自身を知る場合にも当てはまると思われます。

「この私は生涯のうちで何を真なる努力の目標としているのか」を、
自らに問うてみるとよいわけです。

この自分を決めているものは、名前でもなく、肩書でもなく、
立派な服を着ている自分でもないということです。

自分を決めているのは、「何を努力の目標としているか」なのです。

何も考えていなければ、そのような自分が私なのです。
毎日どうやってお金を儲けようかと思っていれば、そう考えているのが私です。
毎日の仕事は辛く嫌でたまらない。この仕事から逃げたいといつも思っているならば、それが自分です。

あるいはやさしさを努力の目標としている人は、優しさがあなたなのです。
人のお役に立つには何をすればいいのかを努力の目標に掲げている人は、
慈悲の人なのです。

感謝の思いを忘れないでいるのを目標として頑張っている人は、
感謝そのものが私になるでしょう。

イチロー選手がマリナーズで頑張って、9年連続200安打を今年達成しました。
イチローは野球人ですが、心の姿はたんたんと努力する人であり、
ひたむきで決して弱音を吐かない人でもあるといえます。

できるならば、素晴らしい目標を持ち、
その目標に向かって努力する人でありたいものです。

それが本当の自分を知ることになりますし、相手を知る秘訣でもありましょう。