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みにミニ法話

(118)「一冊の美しい本」

この世は一冊の美しい書物である、という言葉があります。

この美しい書物から、何を読み取り、何を学んで生きていくかが大切になります。
すでに与えられている美しい書物を、どう開き読み進めていくか・・・。

さまざまな考え方や方法があると思いますが、
ここでは一つの方法を考えてみましょう。

それは、自分の与えられた人生を愛することではないかと思います。

自分の興味のある分野の本を愛することで、その本を大切に扱い、
その本に書かれた内容を一生懸命に読み取り、自分の知識にしていきます。

本を愛さなければ読もうともしませんし、
ましてやその中から何かを発見しようとも思わないでしょう。

愛するといっても、人にはさまざまな境遇があり、
そのためか自分の人生など愛せない人もいるでしょう。

家庭が不和であったり、子供の悩みや仕事がうまくいかなかったり、
何の楽しみもないと思われる人もいるかもしれません。

でもその境遇の中にあっても、 その境遇が一冊の美しい本に書かれている一つの現れであると思えば、 その境遇を愛し、その境遇という書物の中から、何か大切なものを発見できるような気がします。

仕事や地位などは代わりの人が次々に現れてきますが、自分の人生は誰一人代わってくれません。

誰一人自分の人生を代わってもらうことができなければ、自分の足で歩く以外にありません。

そう思い、自分の人生を愛せたなら、隣の人の人生を学びとすることができ、
家族や知人の人生からも、大いなる自然の中からも、美しい生き方を発見できるようになります。

この世は一冊の美しい書物である、という言葉をまず心において生きていくことです。

生涯のなかでどれだけ美しい発見や出会い、美しい学びをしたかによって、
悔いのない人生を送ることができます。

この世は百万冊以上の百科事典を超える量の学びがあるのです。

その美しい世界をぜひ発見してみましょう。