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法華経の詩

法華経の詩(87)

法師品 第十(5)

仏 世尊は
薬王菩薩(やくおうぼさつ)に
井戸の喩(たと)えを出して さらに語った

たとえば
1人の男が
水を探し求めているとしよう

彼が水を得るために
荒れ果てた土地に井戸を掘る
掘っても 乾いた土の間は
水はまだ遠いと知るであろう

ところが
井戸を掘って
水分を含んだ土が出てきたり
水滴の垂れるしめった土が出てくならば
彼は
水は近いと知るであろう
まさに このように
大地の底にある水である この法華経を
掘りあてて 求める努力もせず

すなわち
この教説を聞くこともなく
学ぶこともなく
理解することもなく
没頭もせず
考えもしない間は
この上なく完全な「さとり」には至らない

そうではなく
この教説を聞き 学び 信じ
読誦し 親しみ 吟誦し
考え そして崇(あが)め 尊ぶならば
この教説から
この上ない完全な「さとり」が生じるのだ

この教説には
求法者を「さとり」の境地に導くために
如来たちが説いた
最高の秘密が明らかにされているからだ