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法華経の詩

法華経の詩(37)

信解品 第四(3)

世尊なる仏に
仏弟子たちは続けて
比喩を持って 彼らの心境を語った

世尊なる仏よ
かの貧乏な男は衣食を求めながら
ついに莫大な金銀財宝を持つ
裕福な人の家に近づいたとします

かの貧乏な男の父親である長者は
自宅の玄関前に 
幔幕(まんまく)を張り巡らし
金銀が散りばめられた獅子の皮を敷いた
豪華な椅子に腰かけて
大きな扇であおがせていました

彼のまわりには 花がまき散らされ
大勢のバラモンや王侯・商人が取り巻き
仕事の取引をしていたのです
かの貧乏な男は その豪勢な様子に見て
身の毛がよだつほど恐れを感じ 心乱れて
ここには 私のような者がする仕事はない
もし こんなところに捕らえられたら
きっと 強制労働をさせられるに違いない
そう思い 急いでそこを立ち去り逃げたのです

その男の様子を見た長者は
ひと目で自分の息子と分かり
大いに喜び 考えたのです
ああ この満ちあふれた金銀財宝を
相続する者が現われた と

そして召使を使わして その男を捕まえさせ
父のもとえ呼び寄せました

父であることを知らない男は
身の毛がよだつほど恐れおののき
私は殺される 刑罰を受けて死ぬのだといい
その場に失神し 倒れてしまいました

貧乏な男が豊かさを敬遠することを知った長者は
彼をその場から とき放してあげたのです