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法華経の詩

法華経の詩(14)

方便品 第二(2)

仏は舎利弗(しゃりほつ)に
重ねて説いた

神々と人とが住む世界において
仏は偉大であり 無量であるから
その心を あなたがたは
決して知ることはできない

仏の説く法(教え)は
甚深微妙(じんじんみよう)であり
悟りの深さは 量り知れず
智慧は高く優れていて
誰しもが見がたく 悟りがたいのだ
その深遠な悟りを
仏のみが理解し 知っている

ただこの教えを理解できるものは
仏を信じる心を持ち続け
道を求めて止まない 求法者のみである

この世での最後の 迷える肉体修行をする
声聞(しょうもん)でさえ理解できない
舎利弗に等しい智慧を持つ者でも理解できない
欲望をなくし研ぎ澄まされた心を持つ
独覚(どくがく)でさえ
この真の意義は理解できないであろう

測り知れないほど長い時を経て
この悟りを追及しようとしても
仏の悟り得た智慧は理解しがたいのだ

舎利弗よ 仏の語った このことを深く信じるがよい
偉大なる仏は 偽りを語ることがない
あなたがたがすみやかに悟るために
方便(ほうべん)という 巧妙な方法を用いて
  悟りに向かう三つの乗り物を示した

それは求法者が乗る偉大な智慧の乗りものであり
声聞なる仏弟子の 煩悩を打ち消す乗りもの
そして自ら悟りを開く 独覚の乗りものである