扉の詩
時間という葉
私たちの人生は
大樹に似ている
その木についている
葉っぱ一枚いちまいが
一日の時間を
現わしている
六十年生きれば
およそ二万二千枚の
葉がついていて
一日一枚
散っていくのだ
すべて落ちれば
死を迎える
今年も
三百六十五枚の葉が
落ちてしまう
落ちてしまった葉は
何色をしているだろう
できれば
美しい赤い葉のように
人の幸せに
通じていけばと思う
一枚の葉の重みを
静かにかみしめてみる