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しきたり雑考(21)

正月飾り

今月は「正月飾り」について考えてみたいと思います。

正月になると注連縄をはります。

注連縄の由来は、天照大神(あまてらすおおみかみ)が
天の岩戸に閉じこもって出てこなくなった時があって、
ようやく大神を誘い出して、岩戸を出たとき、もう岩戸に入らないようにと、
太玉命(ふとたまのみこと)が入り口に縄を張り巡らしたことからきている
といわれています。

この注連縄は神社にある鳥居や寺院にある門と同じように、
俗界と神聖なる場所とを区切る役割を果たしているのです。

注連縄と同じ働きをしているのが、注連飾りです。

これを玄関に飾り、
この家が神聖な場所であることを示して、邪気を入らせないようにし、
守護してくださる年神様をお迎えして、今年の幸せを祈るわけです。

この注連飾りには橙(だいだい)や裏白(うらじろ)、紙垂(しで)、
ゆずり葉などの縁起物をつけて飾ります。

橙は先祖代々が繁栄していくように。

裏白は羊歯(しだ)の仲間で、裏が白くなっていることからそれにあやかり、
思いに裏がなくきれいな心を表します。

紙垂は四手(しで)とも書き、男女二人の四本の手を表し、
夫婦が仲のよいことを意味しています。

ゆずり葉は、新しい葉ができてから古い葉が散っていくいことから、
家が親から子へと代々受け継がれていうことを意味しています。

門松は、もちろん松を飾ります。
昔から松は神聖な木として尊ばれてきました。
この松に神が降りてきて宿ると信じられてきたのです。

ですから、庭のある家では必ず松が植えられているのも理解できます。
竹はまっすぐ伸びることから、繁栄を意味しているのでしょう。
門松は玄関の左右にたてますが、門の左手が雄松で右手が雌松と言われています。

鏡餅は古来より餅は福の源と考えられ、丸い形は大切な心臓を意味し、
二つに重ねることは福徳が重なることを意味しています。

二十九日は「苦飾り」、三十一日は「一夜飾り」といってよくないようです。
でも二十九日は「苦を除く」という意味で飾ってもよいと思えるのですが・・・。

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