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仏事の心構え(164)

仏像の見方について 44 稲荷大明神

今月は稲荷大明神(いなりだいみょうじん)のお話を致します。

この稲荷大明神はお稲荷さんとして親しまれています。

昔は江戸と呼ばれたころの東京に多かったと言われています。
「伊勢屋、稲荷に犬の糞(ふん)」と言われたほどで、
そこらじゅうに犬の糞が落ちているほど、このお稲荷さんも多かったというのです。

それは江戸幕府の老中、田沼意次が熱心な稲荷信仰を持っていて、
武家が老中の歓心を得るために祭り、開運の神様であり、
また商売繁盛の神様だったので、庶民にも広がったというのです。

ほんとうは、この稲荷は最初に「稲」の字がありますので、
稲の豊作を祈る農業の神様なのです。

稲荷の語源を一つあげれば、「イネナリ」で、
漢字にすると「稲生」です。これは稲が生まれてくるという意味です。

このお稲荷さんで有名なのが、
京都伏見のお稲荷さんであったり、豊橋にある豊川稲荷があります。

伏見のお稲荷さんは、昔、ある豪族が伏見の山に
祭神である宇迦之御魂神(うがのみたまのみこと)をお祭りしたのが、
その初めのようです。

この神様は「ミケツカミ」ともいい、
万葉仮名では「三狐神」と表し、これを「ミケツカミ」と読むのです。
このことから、狐とお稲荷さんとの結び付けができたとも言われています。

今年の4月にお話した荼吉尼天(だきにてん)も、このお稲荷さんが出てきました。

この神様は豊川稲荷の神様で、
このお稲荷さんが祭ってあるのは、曹洞宗のお寺様で、
あるお坊さんが中国から帰って来る途中、
海の上に、白い狐にまたがった霊神が現れ、
「これからあなたを守り、教化にそくしたものを幸せにしよう」と告げたといいます。

これが荼吉尼天で、白い狐がその使いというわけです。
お稲荷さんは、狐がその脇に控えているのが特徴です。

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