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仏事の心構え(163)

仏像の見方について 43 十二神将

今月は「十二神将」(じゅうにしんしょう)です。

ある仏様を囲んで、十二体の荒々しいお顔をした仏様が並んでいるのを、
どこかのお寺で見たことがあります。

確か京都の広隆寺にもあったと思います。
ここは弥勒菩薩で有名です。

十二体の仏様の説明文をよく見ると、十二神将と書かれていました。
どんな働きをする仏様なのだろうと思って調べてみると、
薬師如来をお守りする仏様のようです。

薬師様は、左手に薬壺(やくつぼ)を持っているので、
すぐ薬師様であると分かります。
十二神将は、その薬師様を守る働きをしているのです。

その言われは、
昔お釈迦様が阿難(あなん)というお弟子に、薬師如来の功徳を語ったとき、
その教えを十二神将がともに聞き、薬師如来を信仰する人がいれば、
その人を守り、苦しみを受けないようにしようと誓ったからだといいます。

薬師様には十二の願いがあり、その願いに対応して、
薬師様の分身としての役割を持っているとも言われています。

その願いの一つに、
「光輝く自分と同じように、みんなを仏様のようにさせよう」
というものがあります。

あるいは「薬師の名を呼べば、たちどころに病が治る」そんな願いもあります。
そんな願いを叶えさせる守り神としての働きをしているわけです。

その十二神将の宮毘羅(くびら)神将が、金毘羅(こんぴら)様です。

金毘羅様は、この十二神将から独立して、海の神様とし、
魚で生計を立てている人や、海で仕事をする人、海運業者に信仰があり、
船を新しく作ったときには、必ず金毘羅様にお参りするのだそうです。

実はこの金毘羅様はインドの川に住む「わに」を神格化させたもので、
仏教に取り入られて、仏を守護する働きをするようになったのです。

鎧(よろい)、冑(かぶと)をつけ、剣などの武器を持っています。
うかつには近づけない、そんなお姿をしています。