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仏事の心構え(138)

仏像の見方について 18 観音菩薩4

今月は観音菩薩の4回目になります。
今回は如意輪観音(にょいりんかんのん)です。

まずお名前の「如意輪」です。
初めの如意は、如意宝珠のことです。
まず「意」は思っていること。「如」は、思ったように叶えてくれること。
「宝珠」は、宝の珠(たま)です。
そして「輪」は法輪のことで、教えの意味です。

これをまとめると、
私たちの思い願っていることを、そのまま叶えてくれる宝を持ち、
そのために、多くの教えを説いてくださる観音様といえます。

この観音様のみ姿で特徴なところは、右手を頬に添えて思惟している姿です。
弥勒菩薩様もそうですので、間違いやすいかもしれません。

さらに特徴をあげれば、右足を立てて立て膝(ひざ)にし、その上に右手を載せ、
右足の足裏は、左足の足裏に重ねていることです。想像できますか。

この姿は他のどの仏様にも、私が調べた限りではないと思われます。 この足の形を「輪王座」(りんおうざ)というようです。

またこの観音様で多い姿が、お顔は1つですが、手が6本あることです。
なかには2本、4本、10本などもあります。

6本の場合、左の1つは法輪を持ち、もう1本は蓮台の上につけ、
もう1本は、胸の前で印を結んでいます。

右手の1本は頬に添え、もう1本は数珠を持ち、
もう1本は胸の前で如意宝珠を持っています。

この6本の意味ですが、6道の苦しみから人々を救うためと言われています。
6道とは昔このシリーズでご説明したことがあると思いますが、
天・人・修羅・畜生・餓鬼・地獄をいいます。

これは心の世界で展開される姿でもあり、
死んで後に生前の行いで裁かれ、行く世界でもあります。

どの世界へ行こうとも、法輪という教えを転じて、
その世界を脱する教えを説き、救ってくださるわけです。

この観音様は、とても珍しいので、近隣のお寺様にいらっしゃるかどうか・・・。