ホーム > 法愛 4月号 > 仏事の心構え

仏事の心構え(137)

仏像の見方について 17 観音菩薩3

今月も「観音菩薩」です。3回目になります。

観音様はこの後、しばらく続きますが、
それだけ多くの人に信仰されてきた仏様であることが分かります。

今月は千手観音(せんじゅかんのん)ですが、
この観音様を詳しくいうと、千手千眼観自在菩薩になります。

この観音菩薩で有名なのが、京都の蓮華王院三十三間堂です。

私も何回かお参りしたことがありますが、
たくさんの観音様がいらっしゃって、圧巻ですね。

中央に千手観音坐像が祭られています。42本の手で、千の手を表しているそうです。
坐像ですから、坐っていているのですが、大きさが3メートルほどあります。

その他に千体の千手観音様が安置されています。
この千の観音様のお顔がみな違っていて、自分によく似た観音様がいたり、
亡き人の面影を思い起こさせるお顔もあるといいます。

千手の次に千眼とありますので、どこかに眼があるはずです。
それは手のひらに、それぞれ一つの眼が描かれているからです。

多くの人の悩みや苦しみを観じて、救ってくださるというそんな働きが、
このような姿になったのかもしれません。

仏様はみな悩める人を救い、幸せになってもらいたいという願いをお持ちなのです。

この観音様には、観音様を守り、従う仏様がおられます。
この仏様は、千手観音を信仰する人たちを守護するという働きをしています。
この仏様を善神二十八部衆といいます。

この中でも、よく知られている仏様に、
持国天(じこくてん)とか、多聞天(たもんてん)、増長天(ぞうちょうてん)、
吉祥天(きっしょうてん)、鬼子母神(きしもじん)などがあります。

お寺の山門の脇に仁王(におう)様が安置されているところがありますが、
この仏様も二十八部衆の中に入り、寺院を守り、
また参拝の訪れた方々を悪から守り、
千手観音様を信仰する手助けをしているわけです。

仏様に守られている、そんな尊い日々を思い起こしてください。