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仏事の心構え(126)

仏像の見方について 6 如来4

今回は如来の4回目になります。今回は「釈迦如来」をお話し致します。

釈迦如来はお釈迦様のことですが、
その生涯は「釈尊の願い」のところでお話ししていますので、
仏像としての観点からお話をしてみたいと思います。

お釈迦様が亡くなられて、すぐには仏像は作りませんでした。
畏れ多いという思いがあったのでしょう。

当時は尊い神の姿を現すことはできず、
その神なる存在の釈迦如来を人間と同じような姿で表現することは
極めて不謹慎なことであったのです。

仏像が作られるようになったのは、
お釈迦様が亡くなられて500年あまりたってからのようです。

最初は塔を建て、お参りをしていましていました。
仏塔(ストゥーパ)といいます。

この仏塔は、やがて三重塔や五重塔などになり、
もっと簡単にしたのが塔婆になっていったわけです。

ですから、塔婆を建てるというのは、
三重塔を建てるほど、尊いということになります。

その後、塔ばかりでなく、お釈迦様を拝するのに、法輪や菩提樹、
あるいは仏足石といって、足の裏にさまざまな模様を描き、
それを礼拝の対象にしていました。

また台座のみで、
お釈迦様が本来いらっしゃるところを空白にして、その存在を暗示し、
お参りしていたようです。

前述の仏足石ですが、近くでは高遠の建福寺様の仏足石が有名です。

やがてアレキサンダー大王が東征してきて、
インドにもギリシャ的な文化が入ってきました。

やがてギリシャの影響を受けてガンダーラ文化が興り、
その影響下の中で、初めて仏教でも仏像が作られるようになったわけです。

そういえば、初期の仏像は、彫りの深い、
どこかギリシャ的な雰囲気がありますね。

ちなみに日本で一番古い釈迦如来像は、奈良の飛鳥寺の釈迦如来像で、
学校の歴史の時間で習った、あの止利仏師(とりぶっし)の作と伝えられています。