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仏事の心構え(122)

仏像の見方について 2 仏像の種類

今回は「仏像の見方」の2回目になります。
今月は「仏像の種類」について考えてみます。

日々その仏像に礼拝している者にとって、
仏像の種類などという表現は、畏(おそ)れおおいものがありますが、
勉強と思い考えてみます。

それでもこの点だけは踏まえておかなくてはならないと思います。

私のお寺にも本尊としての仏像が祭られていますが、
その仏像は単なる木でできたものでなく、信仰の対象であり、
その仏像を縁として見えない仏の世界から、それなりの仏様が降りてきて、
ご加護をくださる、そんな働きをしているのです。

そんな尊い働きをしていることを知っておいていただくことが、大事であると思います。

さて、仏像には大きく分けて、5つほどの種類があります。

順に挙げていくと、
如来(にょらい)、菩薩(ぼさつ)、明王(みょうおう)天、羅漢(らかん)などです。

この中にさまざまな形をした仏像があるわけです。

初めの如来は、釈迦如来というように、時代に残っていく教えを説き、
多くの人の心を正して救済していく力をもった仏様になります。

釈迦如来(お釈迦さま)も2500年ほど前に現れ、
いまでもさまざまな国で信仰され、日本においてもたくさんの寺院で祭られています。

2番目の菩薩は、自分の迷いや苦しみをすでに解決し、
人の幸せのために働くことを使命にした仏様です。

人のために無私の心で働き、それが喜びであると感じている仏様です。
人にしてあげれば見返りを求めてしまう凡夫とは違って、悟りの深い仏様なのです。

3番目の明王は、如来の化身とも言われていますが、
正しい教えを聞き入れない迷える人々に怒りの姿で持って、邪を祓い、
その心を戒めて救っていく役割を持っている仏様です。

4番目は天ですが、如来や菩薩、明王に仕え、
その方を守るとともに、仏の教えを伝えていく仕事をしています。

最後の羅漢は、悟りを開き、
この世の修行を終えて自分の生きる課題を自分で解決し、
今度は多くの人のために、働かんとしている仏様達をいいます。