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仏事の心構え(95)

法事 5 「お供え物」

今月は法事の5回目になります。今月は「お供え物」についてお話し致します。

法事のときには、できることならば祭壇を作ります。家の事情で、仏壇の前で法事を行うこともあります。どちらでもかまいません。

祭壇の場合、まず上段中央に本尊様を安置します。その下の檀に写真、位牌を置き、その下の壇にお膳を供えます。
その両脇に、右に果物、左にお菓子をお供えします。そして際壇の前に経机を置き、香炉やロウソク、花などを飾ります。経机の両脇に、お花やぼんぼりを飾ってもよいでしょう。
自宅で作る祭壇の場合、その大小や家の作りで飾り方も違ってきますので、必ずしも形式にこだわらなくてよいと思います。

お寺での法事の場合は、供物やお花を用意したり、位牌などを持っていきます。
お茶の用意をしてくだされば、家の人がお参りに来た人のお茶の接待をします。よく菩提寺様に相談して進めるとよいでしょう。

法事の主なお供え物はお膳です。心をこめて作り、お膳に供え、ご先祖さまに頂いてもらいます。その場合、精進料理にします。
故人が好きだからといってお肉や魚は避けたほうがよいでしょう。殺生を伺わせるようなものは避けたほうがよいからです。

注意することは、お膳の器の置き方や使い方を間違えないようすることです。

法事はよくあることでないので、お膳の並べ方を忘れてしまう家が多いように伺えます。たとえば、お茶碗にお味噌汁が入っていたり、お平にご飯が入っていたりする場合があります。平椀のフタがご飯茶碗のフタに使っている場合もあります。生きている人であっても、ご飯茶碗に味噌汁が入っていれば、飲みにくいでしょう。

お膳の器の位置です。まず、手前左がご飯(てんこ盛りにしない)、右がお味噌汁、中央が壷(あえ物、酢の物、煮豆など)、後方左がお平(煮物、てんぷら、がんもどき、高野どうふなど)。その右が高皿(漬物など)で、手前に割り箸をつけて、仏前にお膳の前方を向け、お供えします。お先祖様に頂いてもらうからです。

お供え物には、礼を尽くす心が大切です。