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仏事の心構え(91)

法事 2

今月は「法事」の2回目のお話です。

今の時代のように豊かになって、しかも信仰心が薄れてくると、葬儀は世間の手前もあるので行い、 後の四十九日や一周忌などの法要はしない、という人も増えてきています。

そういう人は、仏壇に毎日お水やご飯をお供えしているのか分かりませんが、「死んだらそれでおしまい」という考えを持っているのでしょう。

死んでそれですべてが終わりであれば、宗教はいりません。
仏壇もお位牌も、もちろん法事も必要ないでしょう。

しかし、それでほんとうによいのでしょうか。

こんな話があります。

杉山(仮名)さんが学生であったとき、末期ガンでおじいさんが亡くなりました。
葬式をすませた数日後、孫の杉山さんが、小さいころおじいさんに一番かわいがってもらったことを教えてもらいました。それでも泣けませんでした。

さらに数日後、交通事故にあいました。杉山さんは10メートルも飛ばされ、地面に激突する瞬間、不思議にも凄い力で体が支えられたのです。
おかげで大事故であったのに、すり傷一つしませんでした。

そのときふと何かの気配を感じ、顔を上げると、おじいさんが生前に見たこともないような優しい笑顔で杉山さんのほうを見ているのでした。「守られている・・・」と実感しました。そして涙が止まりませんでした。(『心霊の不思議は話』2ちゃんねる新書)

亡くなってもういなくなってしまったおじいさんが、杉山さんの前に現れて守ってくれました。
この話は実話だそうです。霊を見ることができる人も、世の中には結構いるようで、こんな話を聞くと、死後の世界をないがしろにはできなくなります。

亡き方を成仏させる力は、日頃の家族の信心深さと、互いに助け合って生きている姿、そして宗教的な儀式(法事)によるものです。

もっと大事なのは、生きているときに悪を押し止め、積善の人生を送ることなのですが、なかなか完璧にできないので、亡き後に、法事の力を借りて、成仏の力、縁をいただくのです。