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お釈迦様の生涯

不衰法―ふすいほう―を説く

イラスト・山中一正

仏陀は弟子のアーナンダを呼んで
修行僧たちを仏陀のもとに
集めることを告げた

集った修行僧たちに仏陀は
教団が衰え無くなっていくことのない方法を
幾つか説いた

修行僧たちよ
あなたがたが会議を開き
その会議に多くの人が参集する間は
繁栄が期待され衰亡はないであろう

修行僧たちよ
これからも共に行動し協力して
与えられた教団の事ごとを行うならば
さらなる繁栄が期待されよう

修行僧たちよ
定められた戒律を破らず保つならば
教団は衰えることはないであろう

修行僧たちよ
経験豊かに 出家して久しい長老や
導き者(て)を敬い 彼らの声を素直に聞くならば
いつまでも繁栄するだろう

修行僧たちよ
迷いを引き起こす愛執
すなわち煩悩に心が支配されなければ
繁栄を続くであろう

修行僧たちよ
奢侈に走らず
林間の住所に住み修行を怠らなければ
衰亡はないであろう

修行僧たちよ
自らの心を安定させ
これから来る新しい修行僧にも悟り深くあれと
願っている間は 繁栄が約束されるであろう

これを七不衰法(しちふすいほう)というが
仏陀が涅槃された後 弟子たちの心の迷いと
さまざまな我見が教団の分裂を招いていく