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お釈迦様の生涯

伝道の日々(その5)

イラスト・山中一正

幸せとは

本当の幸せとは何であろう

健康でいられることか
お金に困らないでいられることか
家族が助け合って生きられることか
好きな人といつもいられることか
欲しいものが手に入ったときか
それとも ぽっくり逝けることか
さまざまに幸せの思いが流れる

しかし健康であっても悩みは尽きない
お金があっても欲は無くならないし
家族とていつも助け合っているとは限らない
本当の幸せとは何であろう 常日頃から悩でいる一人の女性が
仏陀のもとを訪れ 幸せの意味を尋ねた
どうぞ私に最上の幸せを説いてくださいと

仏陀はほほえみをたたえて答えた

諸々の愚か者に親しまないで 諸々の賢者に親しみ
尊敬すべき人びとを尊敬すること
これがこよなき幸せです

与えることを惜しまないで
正しい真理の教えにかなった生き方をし
親族を愛し護り 非難を受けない行いができること
これがこよなき幸せです

耐え忍ぶこと ことばのやさしいこと
諸々の道の人に会うこと
適当なときに正しい生き方についての教えを聞くこと
これがこよなき幸せです

世俗のことがらに触れても
心が動揺することなく 憂いなく 汚れを離れ
感謝し安穏であること これがこよなき幸せです

これらのことを行うならば
健康であろうと そうでなかろうと
お金があろうと そうでなかろうと
常に幸せでいられるのです

女性の瞳は真理を発見した喜びで輝いた