ホーム > 法愛 4月号 > お釈迦様の生涯

お釈迦様の生涯

釈尊の願い(94)

生臭坊主―なまぐさぼうず―

比丘(修行僧)たちは午前中に托鉢に出た
町の人びとからは
お金ではなく食事を頂いて帰るのだ
一般の人が食べている食事であるから
その食べ物の中には
当然 魚や肉類も含まれていた
布施していただいたそれらの食事を
比丘たちはありがたく頂いた
時には篤志家の接待を受け
ご馳走を食べることもあった

そのような姿を
断食や苦行を続けている人びとから見れば
それはあまりにも贅沢な行為であり
生臭まで食べる坊主と批判された
町を歩けば
「生臭坊主」と罵(ののし)られるときもあった

仏陀はそのとき
比丘たちにこう諭(さと)された

欲望を制することなく
不浄で邪悪な生活をし
不正の行いをして頑迷な人
これが生臭であり
肉食をすることが生臭なのではない

粗暴で残酷であり陰口を言う人
友を裏切り無慈悲で傲慢で
なにびとにも与えることをしない人
これが生臭であり
肉食をすることが生臭なのではない

怒りあり驕り高ぶり 強情で反抗心ある人
嫉妬深く高慢な人
これらの人びとは死んでから暗黒に入り
頭をさかさまにして地獄に落ちる
これが生臭であって
肉食をすることが生臭なのではない

比丘たちはこの教えを守り 心を制して修行に励んだ