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お釈迦様の生涯

釈尊の願い(80)

次第説法(しだいせっぽう)

ヤサは一般人で
五比丘のように修行もしていない

ゆえに仏陀は
分かりやすい入門的な話から始めた

まず施論(せろん)なる施与慈善の話をした

まず貧しい人には分け与えなさい
物質的に貧しく困っている人には財を与え
心の貧しい人には心の正しい在り方を施し与えるのです
そして宗教者には進んで惜しまず喜捨しなさい
常に慈しみの心を持って善を積むのです
そうすることでとらわれの心を断つことができ
あなたの悩みはしだいに消えていくでしょう

次に戒論(かいろん)なる戒律道徳の話をした

生き物をむやみに殺してはいけません
お金や財物を盗んではなりません

嘘をついてはなりません
常に素直で正直でありなさい
よこしまな男女の交わりから離れなさい
そして自分を失うようなお酒を遠ざけるのです

これにより あなたの心に戒体(かいたい)といって
少しのことでは揺るがない
堅固な心の身体ができるでしょう

さらに生天論(しょうてんろん)なる
幸せな天の世界に生まれることを説いた

いままで説いてきた 多くの人に施し与え
戒を守って日々生活していると
来世は必ず光り輝く天の世界に生まれかわり
幸せな生活を送ることができるのです
善を積めば福徳を得る(よい面での因果の理法)のです

この施論・戒論・生天論の三論は
次第に因果の理法(善因善果・悪因悪果)が理解でき
さらに難しい四諦の教えに進むことができるという意味で 次第説法 といった